監修:土子 志(薬剤師)
プロフィール

温清飲の基本情報

構成生薬

ツムラ・他コタロー・本草ジュンコウ
ジオウ3g4g4g
シャクヤク3g3g4g
センキュウ3g3g4g
トウキ3g4g4g
オウゴン1.5g3g3g
オウバク1.5g1.5g1.5g
オウレン1.5g1.5g1.5g
サンシシ1.5g2g2g

効能効果

ツムラ、他:
皮膚の色つやが悪く、のぼせるものに用いる:
月経不順、月経困難、血の道症、更年期障害、神経症

効能解説:
かさつき傾向にあり、やや熱をもった皮膚症状を改善します。
乾燥型で皮膚に熱感があり茶褐色様のアトピー性皮膚炎に適します。
血をうるおす作用と冷ます作用を持っていて、のぼせや手足のほてり、 生理痛、更年期障害などに使用します。

服用方法

1日量(3包)を2~3回に分割服用

注意する副作用

間質性肺炎
肝機能障害,黄疸
腸間膜静脈硬化症

サンシシ含有製剤の長期投与(多くは5年以上)により、大腸の色調異常、浮腫、びらん、潰瘍、狭窄を伴う腸間膜静脈硬化症があらわれるおそれがある。長期投与する場合にあっては、定期的にCT、大腸内視鏡等の検査を行うことが望ましい。

薬学的チェックポイント

  • 効果の判定
  • 副作用発現
  • コンプライアンス

効果チェックと薬学的判断

    効果について当てはまるもの1つにチェックを入れてください。

    Q.効果は出ていると判断しますか?


    効果についての薬学的判断

    ・効果あり
    ・用量調節の必要性を検討

    効果は出てますので、今後の用量調節の必要性の有無を検討してください。
    例)服用回数、服用量の減量が可能か?

    証について判断してみてください。

    Q.証は合っていると判断しますか?


    効果についての薬学的判断

    ・効果なし
    ・証の違い

    まずは温清飲の中止の提案を検討してください。
    Drより代替案を求められたら証に合った薬剤の提案を行ってください。

    効果についての薬学的判断

    ・効果なし
    ・証は合っている

    用量・用法のチェックを行ってみてください。
    例)用量は適当か、増量可能か、服用時点に問題ないか等
    追加してみる漢方薬はないか検討してみてください。


    Q.皮膚の状態はどうですか?

    効果についての薬学的判断

    ・効果なし
    ・証は判断付かず
    ・皮膚がカサカサしている

    証は合っている可能性はあります。
    用量・用法のチェックを行ってみてください。
    例)用量は適当か、増量可能か、服用時点に問題ないか等
    かさつきの状態を観察して追加または変更できる漢方薬はないか検討してみてください。

    効果についての薬学的判断

    ・効果なし
    ・証は判断付かず
    ・皮膚が湿っている

    証が合っていない可能性があります。
    もう一度証を取り直して、証に適した漢方薬の提案を検討してみてください。


    抑肝散の代替・追加 処方案
    • 消風散
    • 十味敗毒湯
    • 桂枝茯苓丸
    • 当帰飲子
    • 黄連解毒湯
    • 竜胆瀉肝湯

    副作用チェックと薬学的判断


      副作用についての薬学的判断

      間質性肺炎の発現を検証してください。

      間質性肺炎に対する対応
      ・疑わしい漢方薬の服用中止
      ・重症例ではパルス療法を含めたステロイド剤投与などが行われるので早急にDrへの報告が大事


        副作用についての薬学的判断

        肝機能障害の発現を検証してください。。

        肝機能障害発現に対する対応
        ・疑わしい漢方薬の服用中止
        ・肝機能改善薬の投与
        例)ウルソ、グリチロン、ステロイド等


          副作用についての薬学的判断

          腸間膜静脈硬化症の発現を検証してください。

          腸間膜静脈硬化症に対する対応
          ・疑わしい漢方薬の服用中止
          ・大腸内視鏡検査等の実施が必要と考えられますので早急にDrへの報告が大事

          コンプライアンスチェックと薬学的判断

            コンプライアンスについてチェックを入れてください。

            Q.コンプライアンスはどうですか?


            コンプライアンスについての薬学的判断

            ・コンプライアンス良好
            ・剤型等など改善の必要性の有無を検討してください。

            患者さん、介護者にとって服用が負担になっていないか、飲みやすさに改善の余地がないなどを検討してみてください。

            Q.コンプライアンス不良の原因をどのように判断しますか?


            コンプライアンスについての薬学的判断

            ・コンプライアンス不良
            ・服用量が多すぎる

            他の薬剤も含めて1回の服用量を検証してください。
            漢方薬自体の量が多くて飲めない場合はお湯に溶かすことで飲む量を減らしてみる提案を検討してください。

            コンプライアンスについての薬学的判断

            ・コンプライアンス不良
            ・剤型が問題

            顆粒剤が服用困難と判断した場合はお湯に溶かす、服用補助剤使用などの提案を検討してみてください。

            コンプライアンスについての薬学的判断

            ・コンプライアンス不良
            ・味に問題

            味をマスキングする方法の提案を検討してみてください。
            例)味噌汁等に混ぜる
            味をあまりに嫌う場合は証が合っていない場合もあります。一度、証の検討を行ってみてください。