風邪は初日の治療で決まる!

10月31日
昼間は気持ちのよい秋晴れですが、朝晩はやはり肌寒く感じるようになってきていました。

夜、19:30
お店を閉めてエレベーターで降りている途中、
夫(49歳)が
なんか寒気がする」との一言。

風邪の引き初めは、おおかた寒気からです。
最近は喉の痛みから発症する場合も多いですが、
典型的な寒気からの風邪です。

一瞬考え、降りたエレベーターをもう一度2階へ。

2階へ上がる間、脈と舌を確認

脈:風邪特有のドクドクした感じはなく落ち着いている
舌:白くも赤くもなく通常

「汗はかいているか」を確認。
汗はかいているとのこと。

風邪の初期に考える漢方薬は、

  • 桂枝湯
  • 葛根湯
  • 麻黄湯
  • 桂枝加厚朴杏仁湯
  • 桂麻各半湯  などなど

「さて、どうしましょう」と考えました。

最初は「とりあえず葛根湯かな」と安易に考えましたが、すでに汗はかいている。さらに脈は浮いていない

やはり桂枝湯が妥当だなと考え、エキス剤を飲ませました。
体格からいったら2包くらい必要かとも思いましたが、とりあえず1包で。

必要となりそうな漢方薬を2日分ずつバックに入れて、とりあえず帰宅。

1時間ほど電車に乗って帰るのですが、
電車に乗っている間、最初は気持ち悪そうにしていました。

本人曰く、「胃が動いていない感じ

その後、タオルを取り出し首に巻く。
本人曰く、「汗をかいているのに寒気がする

どうにか家にたどり着き、速攻でお風呂を沸かしました。
お風呂に入る時にお湯と日本酒を持って入浴。
● とにかく温まること。
● 汗をかくこと。
この2つが目的です。

30分程入浴したら、気持ちよく汗をかいてスッキリとした様子で上がってきました。

そして体を冷やさないよう、すぐに布団に入って横になりました。

1時間ほどしたら、汗びっしょりで起きてきました。
しっかり汗を拭いて、下着からすべて着替えました。

ここで「牛黄」を1カプセル(ウチダ:200mg)を飲ませました。

漢方薬をやっている人なら皆知っている「牛黄」
困った時の「牛黄」

「牛黄」とは牛の胆石です。
その効果は飲んだ人はよくわかるというもので、私の漢方治療には欠かせないもののひとつです。

多くのところでしっかり説明されていますので、詳しくはそちらをご覧ください。

牛黄といえばやはり救心製薬
救心製薬さんのホームページに牛黄の詳しい説明があります。 こちら

さて、話を元に戻します。

牛黄を飲ませて、またすぐに眠った夫は朝までぐっすり眠っていました。
途中様子を見たら、一見死んでるんじゃないかと思うくらい深く眠っていました。

翌朝、5:30起床。
なんともスッキリした様子で、すっきり治っていました。

風邪を治すには汗をかくしかない

風邪をひくと風邪薬を飲むと思います。
しかし、風邪薬とは症状を抑えるもので風邪を治すものではありません。

漢方では風邪は汗をかかせて治せと教えられます。

今回、熱は測らなかったのですが、あの汗のかきかた、また寒気の強さからいってそれ相応に熱が出ていたのではないかと推測されます。

汗のかかせかたというのも本当はありまして、
流れるような汗ではなく、しっとりするくらいの汗
がよいとされています。

しかし、今回は結構ダラダラと汗をかかせました。
それは、本人に体力があるからです。

その人の体力に合わせて臨機応変に治療を行うのも漢方のいいところだと思います。

また、風邪の治療においては、
生もの、冷たいもの、ヌルヌルしたもの、肉、麺、辛いもの、酒、乳製品、臭いの強いものは摂取してはいけないと書かれています。
要は、風邪をひいたときは食べるなということです。
なぜなら、体は戦っています。
そんな時にのんきに胃腸を使っていると風邪にやられてしまうのです。
必要最小限のお粥程度の栄養分の補給でよいということです。

べーやんさんによるイラストACからのイラスト

今回、汗をかかせるために少量の日本酒を使いました。
これは治療ではなく、ただ単に本人が飲みたかっただけです。

お風呂に入っても汗をかかない時は、
まずお湯を飲みます。
中から温めることで、発汗を手助けします。

それでも、汗をかかない時は、
麻黄附子細辛湯を使います。
麻黄附子細辛湯は体の弱い人、エネルギーが少ない人のエネルギーチャージです。

とにかくどうにかして汗をかかせることが大事です。
ここで汗をかかなかったら風邪は中に入ってしまいます。
そうすると、もう単純に汗をかかせるだけでは風邪は治らなくなってしまいます。
咳、鼻水などに苦しめられるわけです。

今回は結構、必死で治しに行きました。

次の日にはたくさんの患者さんの予約が入っていまし、
その中には関西のほうから来て下さる方もいらっしゃいます。

そんな方のためにも絶対に”今日”中に治さなければいけなかったのです。

様子をよく観察しながら、水分摂取などもしっかり行うことで風邪を初日に退治することが出来ました。

使った漢方はたった2つです。
桂枝湯 1包(¥100)
牛黄 1カプセル(¥1500)
※当薬局の販売価格

風邪を治すにはほんの少しの漢方薬と正しい養生があれば十分です。

引き初めにほったらかして、こじらせて病院に行くのはつらいだけです。

自分の体力、体質を知って、体調が悪くなった時にすぐに何をすればよいかを知っていると病気という無駄で辛い時間を過ごさずに済みます。

「病気になったら病院があるから安心」というのではなく、
病気にならない知恵をもつという選択肢があることを知ってください。

風邪のときに持っておくと便利な漢方薬

  • 桂枝湯
  • 葛根湯
  • 麻黄湯
  • 麻黄附子細辛湯
  • 桂枝加厚朴杏仁湯
  • 小青竜湯

どれも3日分もあれば十分です。

そして、

  • 牛黄

牛黄製剤は色々あります。
品質、入っている量など様々です。
最近、中国での人気が高まり価格が高騰しています。
とても高価なものになりますので、飲むときは品質のいいもの、必要量が入ったものを必ず選んでください。
薬局側も売りたい気持ちもあると思いますが、それ以上にその良さを知っていますので、しっかり説明をしてくれると思います。

牛黄は子供さんからお年寄りまで安心して飲めます。
風邪に限らず役立つ場面の多い漢方です。
牛黄製剤を扱っている漢方薬局(ほとんどの漢方薬局が扱っていると思います)でよく説明を聞いて、上手な使い方を教わって絶対に手元に持っておくことをおすすめします。

こういった製剤があることが漢方薬局ならではの最大の利点です。

なかなか漢方薬局には入りにくいかとは思いますが、ぜひ一度お近くの漢方薬局に立ち寄って「健康」を教わってみてください。