症例 乳幼児の便秘

1歳3か月の男児
便秘に困っていろいろと薬を飲ませたが思わしくありません。
今も便秘薬を服用していますが、排便時に大変苦しそうな状態が続いています。これが日常となっています。
ある日、急に腹痛を加え七転八倒したため病院で診てもらったら腸閉塞と診断され、そして直ぐに手術だと言われました。

手術の前に漢方の大先生に相談、診察してもらったところ手術の必要はないとのこと。

桂枝加芍薬湯(煎じ薬) 1/2量を飲ませるように指示されました。

⇒服用にて腹痛は治まり手術の必要はなくなりました。

⇒しかし、腹痛が治まると同時に下痢が激しくなって止まらなくなりました。2日経っても下痢が治まらなかったので一旦薬を飲むのを止めました。

心配になり近くの漢方薬局で相談したところ、

薬は問題ないけれど、量を1/3量を3日に分けて、さらに煎じる水の量を半分ほどに減らすように指示。

⇒薬を減らした結果非常に調子がよくなり、常習便秘も改善しました。

治験例集/相川隆三郎著
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先生 お言葉
量と煎じ方は大事です。

今回の漢方の解説

今回の漢方薬はお腹の痛みによく使われる、
「桂枝加芍薬湯」
です。

桂枝加芍薬湯

腸の動きが悪く、腹痛する状態を改善する漢方薬です。
便秘にも下痢にも使います。
また、痔の症状にもよく使われます。

桂枝加芍薬湯 が効く便秘

胃腸が弱く、虚弱な人のけいれん性の便秘に効果的です。
桂枝加芍薬湯はけいれんをとって腸の動きをスムーズにします。

桂枝加芍薬湯が効く便秘の目標

  • 腹痛がある
  • コロコロ便
  • 腹直筋が張っている
桂枝加芍薬湯 が効かない便秘

排便のリズムが出来ていない
便意をもよおしても我慢したり、トイレに行けない状態を繰り返していると便意が起こらなくなります。
このような便秘を「直腸性便秘」といいます。
直腸性便秘では腸を動かして便を押し出してもなかなか排便にはつながりません。

桂枝加芍薬湯の味

漢方のベースとなる処方です。
シナモンが効いていて飲みやすい漢方薬です。

今回のポイント

●おなじ漢方薬を使っても、量と煎じ方によって効き目が変わってきます。

今回は乳幼児です。
乳幼児はお薬の量を調節しなければいけません。
西洋薬では1歳は1/4量が目安とされています。
漢方薬も西洋薬に準じた量で考えます。

投与量については、生理機能が落ちた高齢者でも考えなくてはいけません。

●便秘はいわゆる「便秘薬」だけではありません。

一般に便秘には腸を刺激して便を出す便秘薬が用いられます。
当然、腸を刺激すると便は出ます。
しかし、腹痛を伴ったり効果が弱まってくるなど、自分の便秘には合っていない方もたくさんいらっしゃいます。

便秘も原因をしっかり見つけて、漢方薬で改善してあげると気持ちのよい「快便」となります。